「千羽鶴」を読んで



「千羽鶴」を読んで

題名:「千羽鶴」
著者:川端 康成
発行所:株式会社新潮社
発行日:平成元年11月15日

 川端康成の本を読むのは始めてだ。数ある川端康成の作品の中で「千羽鶴」を読もうと思ったのは、今話題のウクライナという国で、この「千羽鶴」が高校2年生の必須科目として教えられているという事を知ったからだ。馬渕睦夫元大使の著書で知り馬渕睦夫大使がウクライナで大使をされて当時の事なので、現在も変わりなく教えられているかどうかは分からないが、とにかくウクライナの高校生が学んでいる「千羽鶴」を読んでみようと思った訳である。
 「千羽鶴」の内容は人間関係がとても複雑であり、高校生レベルではかなりしんどいのではないだろうか??と感じた。というのも主人公の父の愛人、父の愛人と主人公が一夜を共にし、さらに一夜を共にした父の愛人の娘と主人公が・・・・・。これ以上はネタバレになるので控えさせていただくが、日本人でありある程度の年齢になった私でも複雑なのに、外国の高校生が学んでも大丈夫なのだろうか??と思ってしまう。
 川端康成と聞くと私は取っつきにくい感じがして本を読むのを避けてきたが意外や意外。「千羽鶴」は今の時代だとAVのストーリーに使っても面白いんじゃないの!!と感じてしまうほどの内容。久しぶりに官能小説でもなくノーベル文学大賞作品を堪能させてもらった。