雨の日の新幹線撮影は最高のシャッターチャンス




雨の日は撮影に行く気がしなくなる・・・


写真撮影は晴れの日が良いというのはごもっともなことです。雨なんか降っているとカメラを持って写真撮影に行こうという気は正直なところ薄らいできて億劫になってきますよね。
雨には濡れるし、風邪をひかないか心配になるし、何よりも機材が濡れてしまって故障したりしないだろうかと考えてしまいます。
また傘を指したり、身体を拭いたり、持ち物を拭いたりと・・・いつもよりやることが多くなってしまいます。時間もかかるし。


雨の日しか撮影できないものがある


しかしちょっと待ってください。雨は行動するのに嫌なんですが、雨の日は雨の日にしか撮影できないものってあるじゃないですか。晴れていたらそれは綺麗な青空をバックに素晴らしい写真が撮れると思います。
でもここは思考を少し変えて雨の日にしか撮影できないものを考えてみましょう!!
私は鉄道が好きなので雨の日には例えばアップの写真を多く写したり、雨粒を絡めたりすることによって雨の日にしか写せないものを撮るように心がけています。
またカメラマンの数も極端に少なくなっていますから、自分だけの世界で撮影できますよ!!


大雨の新幹線撮影は垂涎のシャッターチャンス


大雨は外に出るのも嫌になってしまいます。私も当然そのとおりなのですが、こと新幹線撮影だけに関して言えば、大雨は最高の撮影チャンスと私は捉えています。
しとしととした小雨では迫力ある写真は写しにくいのですが、大雨になるとパンタグラフから引き出る水飛沫が新幹線のスピード感や躍動感を出してくれます。

1/250秒、f6.3、ISO400、300mm

1/250秒、f6.3、ISO400、300mm

新幹線が走り去った後は直ぐにレインカバーなどを機材に掛けましょう。時速300kmで走る新幹線の風圧で雨粒がホームまで飛んできます。撮影者の身体にもかからないようにしないといけませんが、それよりも大切な機材をまずは守りましょう。


雨の日はヘッドライトの光線を上手く使って


新幹線は晴れた日の日中でもヘッドライトを点灯して走行していますが、雨の日とか薄暗くなって時にはこのヘッドライトから出る光線を上手く使うと面白い写真が撮れます。私が雨の日の撮影に前向きなのもこの辺の面白さが好きなのだからです。

停車しているのは九州新幹線ですので、ボディーカラーはホワイトではなく薄いブルーです。この雨だと流石に写りは悪く本来の九州新幹線の美しさは出ませんが、そこはヘッドライトの光線を絡めた面白さとでもいいましょうか、雨ならではの技法を駆使して撮影を楽しんで下さい。


向こうからは数少なくなってきた700系が走ってきています。こうやってヘッドライトの光線からでも700系のシルエットが分かります。


広角レンズを使っても面白い写真が撮れます


今までは望遠レンズを使っての撮影でしたが、広角レンズを使ってもなかなか面白い撮影が出来ます。
本来ですと先頭車両の先端にピントを合わせ1/2000秒位のシャッタースピードで編成写真を撮るのが基本だと思うのですが、わざとピントをずらしシャッタースピードも遅くして撮影しています。スピード感や臨場感が増していると感じる写真に出来上がります。

1/80秒、f9.1、ISO200、焦点距離16mm

1/80秒、f9.1、ISO200、焦点距離16mm


対面するホームで待っている人を撮ろう



対面しているホームの人を、時速300kmで通過する新幹線の窓枠に入れて撮影してみました。シャッタースピードは1/160秒、f18、焦点距離は200mmです。
あらかじめ対面しているホームの人にピントを合わせ、通過する新幹線に合わせて連射しました。
時速300kmで走る新幹線の窓に合わせてシャッターを切るというのは、人間の動体視力では不可能ですから、数撃ちゃ当たる方式ですね。
本当に偶然ですが1枚だけそれなりに写っていました。

こうやって雨の日でも思考を巡らせながらの撮影は楽しいものですよ。偶然から思わぬ発見が出来るのもこういったシチュエーションの時に起こるものです。
雨の日には雨の日なりの撮影を楽しむのも時には良いものですよ。