『安倍晋三 回顧録』を読んで
本日は書籍の話。なかなか手に入りにくい状況だった『安倍晋三 回顧録』。先月にようやく手に入れることができたので、私には珍しくじっくりと読ませてもらった。というのも私の本の読み方って結構早く読んでいる方で、世間でいう斜め読みのような感じですね。しかしこの本はじっくりと状況を思い出しながら、時には著者の気持ちにたって読ませてもらった。最初は著者の安倍晋三本人の方から発売に待ったが掛かったようだが、残念ながら不慮の事故によってお亡くなりになられ、この度親族からのゴーサインが出て発刊に至ったそうだ。内容については多くの人に読んでもらいたいが、私が一番安倍晋三元首相に感謝というか外交の安倍といわれた所以が大変良くわかったのが、129ページに書かれてある一文です。引用させてもらうと<外交で重要なのは、ルールづくりなんです。今までは欧米にルールをつくってもらっていた。日本は優等生で、ルールに従って言うことを聞いていた。でも勝負はルールづくりに参加することなのです。これは安全保障分野に限りません。例えばスポーツでいえばノルディック複合で、日本人選手が前半のジャンプでリードして、後半のクロスカントリーで逃げ切って勝利したら、ジャンプの点数の比重を下げるルール改正が行われてしまったでしょ。露骨な日本人つぶしですよ。そういう意味で、あらゆる分野でルールづくりに参画しないと、国際社会ではダメナのです。>
多くの実名が入っていて時にはビックリするような内容もあります。ぜひ多くの人に読んでいただきたい一冊です。
タイトル:『安倍晋三 回顧録』 著者:安倍晋三 発行所:中央公論新社 発刊日:二〇二三年二月一〇日