大人の恋を描いた本を読んでいる



 一つは2004年に発売された川上弘美の「センセイの鞄」(新潮文庫)ともう一つは柴門ふみの「恋する母たち」(小学館)である。

 「センセイの鞄」は、10年ほど前に読んだ時は、女性作家の作品も面白いな~!!程度の感想だったが、最近になって再読してみると、自分が主人公のツキコさんと年齢が近くなったせいか、大人の恋がなんとなくだけどわかるような感じがしてきた。若い人たちのような攻撃的というか一直線的な恋ではなく、居酒屋で偶然再会した定年退職後の元国語教師との物語。二人とも独身(センセイはバツイチ)で、後で紹介する柴門ふみの「恋する母たち」は不倫なのでちょっと中身は違うけど・・・。

 「恋する母たち」は息子が有名進学校に通う3人の母親の恋のお話。一人は旦那が失踪しているが、他の二人は旦那がいる状況での40台女性を描いている。現在この本は6巻発売されているが、私は3巻を読んだばかりで、今後の展開を楽しみにしているところ。1988年から小学館のビッグコミックスピリッツで連載された「東京ラブストーリー」と同じ作者が書いたもので、しかも東京に生きる若者たちの姿を描いた「東京ラブストーリー」から、若者がアラフォー女性の恋に変わった姿を描いたラブストーリー??なので、いけない関係を非難する気持ちと羨望の気持ちの両方をもって読んでいるところである。残り3巻を読むうえで正直なところ今後の展開が見通せない面白さがあって楽しみだ。