新・日英同盟を読んで



 『「新・日英同盟」100年後の武士道と騎士道』 著者 岡部 伸  発行所 白秋社 2020年10月28日

 日露戦争で日本海軍の当時使っていた戦艦は造船技術が当時世界一だった英国製というのは知っていたが、燃料の石炭やインテリジェンスの部分も英国の後押しを受け戦っていたというのははじめて知りました。東洋のネルソンと呼ばれていた東郷元帥が日本の連合艦隊長官として指揮を執って勝利に導いたのはもちろん知っているが、英国の協力という部分もかなり重要なポイントだったのですね。
 そんな両国が同盟を破棄し第二次世界大戦で戦う事になるのですが、東南アジアで日本軍の捕虜となった兵士と抑留された市民が日本政府に補償と謝罪を要求してきたという問題があったんですね。東南アジアが戦地となったのは知っていましたし、捕虜となった兵士がいる事ぐらいはわかっていましたが、鉄道建設に無理矢理強制労働をさせられたというのははじめて知りました。戦争ですから終わってからわかる事実というのもたくさん出て来ます。
 本書は台頭する中国を念頭に置いた日本とイギリスの関係について書いているけど、大事なのは戦争のない平和な世界になるようにしないといけませんね。