売春島「最後の桃源郷」渡鹿野島ルポ を読んで
『売春島「最後の桃源郷」渡鹿野島ルポ』著者:高木瑞穂 発行所:株式会社彩図社 2020年1月9日
2017年9月に発行されたものを文庫化された本書を読んでみた。私は数十年前に3回渡鹿野島に行って宿泊している。一度目は仕事でお世話になっていた会社の慰安旅行に一緒に連れて行ってもらった時に。当然、売春島という事は知っていたし、連れて行ってもらった従業人の男性達は、宴会に呼んでいたコンパニオン達に連れられて、ショート・ロングを問わず大勢の人が遊びに行っていた。朝の朝食時にも昨夜に来ていたコンパニオンが来てくれて、食事を出してくれるのだが、ロングで遊んだ人の前に多くいることが慣例のようで、ああ、あの男が目の前にいるコンパニオンとロング(一晩)を過ごしたんだな!とわかる仕組みになっていた。そりゃ~そうですよね、ロングで大金払ってくれたお客様には最後までサービスするわけですから・・・。その時に宿泊した旅館名がニュー大阪屋。今は廃業しているようです。私はというと、お世話になっている社長さんや側近の方々とお酒を飲んだりして遊びには行けませんでした。旅行といえども半分仕事のようなものですから、致し方ないですね。
二度目は当時所属していた草野球チームの旅行で。ここでも一度目に宿泊した旅館であるニュー大阪屋に宿泊してる。ていいうか三度ともニュー大阪屋に宿泊したのである。この時は地元からスナックのホステスさんを2名連れて行っていたので(有料でです)、その人達や仲間と盛り上がってしまい、挙句の果てに酔いつぶれて気が付けば朝。今回も夜の外出はできませんでした。というよりも新婚さん家庭が参加者10名中6名ほどいたので、みんな真面目に部屋で飲んでいたという記憶が強く残ってますね。そんな中でも3名は繰り出していました。
三度目は二度目の翌月に行ってきました。今回は私もロングで羽を伸ばして来たわけですが、前回の草野球チームで行った時に、夜の遊びに行った監督が、相手をしてもらったコンパニオンの事が気に入ってしまい、そのコンパニオンに会うために独身の私を半ば強制的に連れて行ったわけであります。旅館にはコンパニオンを指名「リツコという名前の女の子」し、同じ置屋の女の子を私がロングで遊んだというわけですね。
ロングの場合夜の11時ごろから朝の7時ころまでコンパニオンのアパートで一夜を過ごすわけですが、相手をしてくれたコンパニオンはスラっとした体形の女の子で、会話も弾んだしとても楽しかった思い出があります。事情は知らないけど、風俗や夜の仕事で働いているような感じの人ではなく、ごく普通のOLさんって感じの人でしたね。
三度渡鹿野島に行って、また男性陣と行く機会があるだろうなと思っていたけど、結局その後渡鹿野島に行く事はありませんでした。先日、たまたま新聞の1面に『売春島「最後の桃源郷」渡鹿野島ルポ』の広告を見つけたので、買って今日読むことになったのですが、今の渡鹿野島は私が行っていた時の華やかさというのは全くなく、島は売春島で潤っていた時とは全く逆の寂れた島になってしまっているようでした。伊勢志摩サミットの開催で締め付けが厳しくなって衰退していったのかな?と本書を読む前にはそう思っていたんだけど、どうもそいう事情だけでもなさそうですね。良い意味でも悪い意味でも時代を引っ張ってくれているその時々のもの、リーダー的存在なもが崩れていくと、連鎖的に辺り全体が悪い方向に行ってしまうようになってしまうんですね。詳しくは本書を読んで下さい。
でも、もう一度近々渡鹿野島に行って見たいですね。三度行った時とどんなに変わってしまったのかこの眼で見てみたいし、一観光客として明るい間に島を歩いて見たい!そう思いながら本書を読み終えました。