女帝 小池百合子を読んで



 すでに話題の書であるため、ネットをはじめあらゆる所に批評が出回っているのは承知しておりますが、私も読み終えた所なので忘れないうちに感想でも書き留めておきます。

 来月に行われる東京都知事選に出馬されるであろう現職の小池百合子のカイロ大学卒業が本当かどうかという学歴詐称疑惑が専ら注目されていますが、私は彼女が国会議員や東京都知事という立場の公人ながら平気で嘘をついたり、人を騙したり、仲間を裏切ったり、その時代の権力者にすり寄って地位を作ったりというしたたかさに恐れ入りました。詳細は本書を読んでいただきたいので具体的な事は控えさせていただくが、普通これだけ人に悪い事をしてしまうと親の顔を見てみたいもんだと思うが、その父親も小池百合子に負けず劣らずの人間であるため、正直なところ小池百合子で血が途絶えたということは良かったのかも。ただ生き方としてサラリーマンなどは出世するのには参考になる生き方(人としての道は大きく外れている)ともいえるので、気になる方はぜひお読みいただきたいですが、小池百合子の生き方で階段を一つ下げるということは、もうその組織にはいられないということ。つまり行き詰まったり停滞する事は組織に残れない生き方だという事を肝に銘じていただきたい。それでも乗り越えて権力者にすり寄って仲間や同士を蹴散らして生きている小池百合子はある意味ですごいなと思います。
 一方で政治家として見てみると、都知事として7つの公約を前回の選挙で謳いました。小池百合子「7つのゼロ」というやつ。

・待機児童ゼロ
・介護離職ゼロ
・残業ゼロ
・都道電柱ゼロ
・満員電車ゼロ
・多摩格差ゼロ
・ペット処分ゼロ
 ペット処分ゼロだけ達成しましたが、残りは駄目でした。また国会議員時代から現在もそうですが、国家観や自分がどうゆう社会にしたいとかがないんでしょう。そのためやりたい事など全く見えてこないんですね。なので政治家として判断すると点数はかなり低い点数です。

 今のコロナ禍に生じて、初期段階ではテレビをはじめとするメディアには表立って出る事が少なかったが、緊急事態宣言が発令される頃になると、毎日のようにテレビや新聞を小池百合子は賑わせています。おそらく東京都知事選から逆算した行動をマスメディアを利用して宣伝しているのでしょう。こういったしたたかさは彼女の天性なんでしょうね。また、マスコミもマスコミで、とにかく視聴率を上げるためや新聞を売るためには小池百合子を利用しないと儲からないんでしょう。どちらも相思相愛の関係なんですね。

 いずれにしても来月行われる東京都知事選は小池百合子が圧勝するでしょう。そうしたら例えば東京オリンピックが仮にも中止になれば、誰とは言いませんが非難しまくって自分は良い子ぶるのが目に浮かんできます。