一昔前と違って最近の写真やカメラ関係の雑誌の数は減少している。写真関係の雑誌の制作って個人的になかなか難しいなぁと思っていた。というのも時系列で行くと日本には四季があって春夏秋冬と季節は巡る。
　春には例えば「桜の撮り方」特集とか、夏になるとまた別の特集を載せるんだけど、大体人気の被写体は一年のローテーションで決まっているので、年間に春夏秋冬分の撮り方をマスターすれば後は応用だけで済むからだ。
　なので雑誌の中ではその時の発売された話題のカメラやレンズについての情報を載せたり、人気写真家の作品を掲載して内容を充実させていたりしている本が殆どだった。
　一方、昨今のネット社会という情報化時代の中で、本や雑誌を手に取るまでに情報を得る事が可能になり、さらにYouTubeやSNSという個人が発信できる手段の充実により、情報を貰いたい受け手側の手段が変わってきた為、本や雑誌の苦戦が昨今続いてきている。
　そんな中私は二つの写真雑誌を見つけた。この出版業界が不況といわれている時代の中、昔から販売されている雑誌ではなく、比較的販売されたのがここ数年前という新しいタイプの写真関連の本を見つけたからだ。
　そのひとつが「TRANSIT」という旅行雑誌。日本だけではなく世界各国を旅しているような写真が多く掲載されている。初めて読んでもうこれはもう写真集に近い本だと思った。
　もうひとつが「GENIC」という写真撮影術的なタイトルを謳っているが、これも活字よりも写真が多く、どちらの本も感性にを刺激されて読むといった内容のように私自身は受け止めた。
　そして何よりも紙質が良くページ数はそれ程多くないが、A４とかではなくて大きくて読みやすいという共通点がある。また春夏秋冬といった時系列的な特集で発刊している感じはなく、その時々というか時間の関係性を省いた発刊になっているところだ。
　さらに人気写真家の作品が掲載されている訳ではないが、きっちりと読み手の心がタイトルと関連していていて、考え方にもよるが旧態依然とした雑誌に比べて知よりも感覚重視のような気がしている。
　また今までの写真全般に多する考え方というものを再確認させてくれているいるようで、気づきというものを今一度投げ掛けてくれているようにも思わせてくれているように感じる。
　カメラの選び方というような部分の掲載も有るには有るが、極力少なくてカメラ業界の広告といった様な感じは少なくなっているのが特徴だ。
　まだ手に取ったばかりだけど、これからこの2誌については今後注目していこうと思っている。