現代の日本の技術っていうのは、殆どのもので秀でているものが多い。時計にしろカメラにしろ車にしてもそうだ。だけど今挙げたこれらの物でも、ずっと受け継がれているものがあり、それらは技術面の上では劣っていても、昔からの伝統に対して根強い信仰者というべき人が一定数いるのも事実だ。しかも操作面では昔ながらのアナログというべき面倒くさい作業をする事になっても、よくも飽きもせずそれらを楽しんでいる。車でいえばポルシェでカメラでいえばライカが該当する。共通するのは技術面では遅れていても、各メーカーの顔というか色とでもいうか、受け継がれている伝統を引き継いで世に出しているという事。これらには物理的に感じえない重みというものが付加され、いつになっても一定数の信者が金銭的に惜しむ事なく購入するという事実。
　ヨーロッパを旅行して感じた事だが、彼らは昔からの物を大切にしている。外観は昔の物を残し内装だけは今の時代に変えているといった建物も多い。なのでエレベーターに乗っても昭和元年のもの？？と思ってしまうようなエレベーターを使っているホテルもあった。
　日本に帰ってから伝統を守ろうとする人々に触れられて、日本の事がもっと好きになり、日本の良き物をヨーロッパの人々のように大切に残す、伝える気持ちをもっと持たないといけないと思った。
　最先端の技術進化は人間を楽にさせてくれるが、どうも最新ばっかりを追い続けていると、何か大切なものを見過ごしていないか？？と、最近思うようになってきた。